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現場リアル物語 -最終章- 祈りで始まり闇に葬り

2026-02-16

祈りで始まり闇に葬り

現場リアル物語 -最終章- 祈りで始まり闇に葬り

皆さんは今まで、化石の発掘をしたことがありますか?
アンモナイトとか地層の断面図から、削ったりなんかして、
やっと見つけた時の感動って堪らないですよね!

え?なんでこんな話を始めたかですって?
今まさに、私は現場で過去の正しいデータ発掘をしているからだよ。闇。


今までにたくさんの現場のリアルを伝えておりました。
まだ見てない方は先に1つ目から読んでいただくのがオススメです!

たくさんの地獄が擬似体験できるので、一石二鳥だね(は?)


色々端折りまして、(今までの過去の記憶を抹消しまして)無事に現新比較が進みました。
その進捗スピードは日を追うごとに増し、2週間で2ヶ月分のテストを一気に巻いて完了させました。

時折、現新で差分が発生することもあるが、
童謡の「犬のおまわりさん」みたいに、

  • 仕様を聞いても分からない
  • 誰に聞いても分からない
  • ビャン ビャン ビャビャ-ン!(エラー音)

ということも日常茶飯事でして、

実行→祈り→差分発生→報告→全員で首を傾げる→謎返答→実行
の無限ループを行なっていたのであった。

まぁ、それも慣れたものですし、時報のような「イガイタイ」も慣れてきました。


あの本番デプロイ事件から2ヶ月を経過したが、
結局、1日もエラーがなかった日は無かったし、
電話が鳴り止む日もなかった。地獄。

今どういう状況かって?朝出勤すると、

  • 毎日何か1つ以上エラーログが発生して、
  • 毎日何か1つ以上データの受信ができていなくて、
  • 毎日何か1つ以上データが消えているのである。ヤバイ。

一応改めて伝えるが、これ「本番環境」だから。
お客さんが法人向けに提供しているシステムだから。

Note

…というリアルな話は一旦記憶から消しましょう。(RAMクリア)
現場はたまに「現実」をそのまま直視すると、心のスレッドがデッドロックする。


それより最近の悩みを聞いてくださいよ。

この現新比較だけれど、本番データの総数が全然足りないんだよね。
その数、およそ半分。(どぉぉぉしてだよ”ぉぉぉぉぉ)

なので本番環境で見つからない分は頑張って探すかデータを作成してね
って言われたんですよ。

でもね、そのデータを作成するのはとても難しいんですよ。
なぜかというとファイルが全く読めないんです。

どういうことか。バイナリファイルだからである。

これは何かというと、16進数で作成するファイルなのだ。
この16進数を用いて日本語の漢字から半角カナや英数字に変換表と対応させ、
入力された値を1バイトのズレもなく正確に入力しないといけない。無理。

Warning

人間が“手で”バイナリを作る時点で、だいたい設計が負けてる。
そして負けた設計は、必ずどこかで“運用”に大量請求が来るんだ


ということで残された方法。
本番環境以外の全環境でデータの捜索が始まったのであった。

これの大変なところで言うと、
そもそも同じ環境の中でも似たようなファイルが山ほどある。多分30,000フォルダ程度。
例え複数あったとしても作成日に依存しているので内容によっては使えない。

気づけば何度もサーバに潜っては各ディレクトリを掘っていた。
あの風化したエビデンス探しから、今度は風化寸前のデータの発掘探検隊に加わっていた。

私は毎日祈った。
このディレクトリにあってくれ、データの条件に合致してくれ、と。

2時間かけて見つけた正しいデータにどれほどの価値があったのであろうか。
この噛み締める成功体験で気づく失った大量の時間。
きっと時計が壊れてしまったんだろう。(いえ、私の脳が壊れてしまっています)

きっと私はこれからも探すのであろう。
失われたエビデンスから始まり、失われた数多の時間で終わるのだろう。


ここまでで私は何回祈ったのだろうか。
そして届かなかった想いの数はいくつだろうか。
今日も1つずつ届かない想いの数だけ増やし、
癒えない傷…じゃなくて言えない闇だけ広がっていくのだろうか。

どうか、ここまで読んでくださった読者の方には
このような未来とならないよう、祈る練習を積んでおきましょう(違う)

Tip

本当は、祈る練習じゃない。

  • 仕様を残す
  • データを残す
  • 手順を残す
    この3つを“人間の記憶”に頼らない形で残す練習だ。